
こんにちは。
今回は、タイトル「高断熱・高気密で心地よい住まいになるの?」
皆さんは、どう思われますか?
高断熱にして高気密にすれば、夏涼しく冬暖かくなるから心地よくなるんじゃないの、と思われている方が多いと思います。
答えは、正解でもあり、不正解でもあります。
「なんだそれ」と思われそうですが、窓の設計の仕方によって大きく変わってくるからです。
実は、きちんと断熱設計していれば窓が一番熱が逃げていく場所になります。
最近「UA値」という言葉を聞いたことがあると思いますが、UA値とは「外皮平均熱貫流率」といい、外皮(屋根、天井、壁、窓等)からどれくらい熱が逃げていくかを数値化したもので、値が小さいほど熱が逃げにくいことを示しています。
そこで、窓から逃げる熱の計算方法を考えてみると、
(窓面積)×(内外温度差)×(熱貫流率)=(逃げる熱)となります。
見ての通り、窓の面積に依存しているのがわかります。
窓を大きくすれば逃げていく熱も大きくなり、小さくすれば逃げていく熱も小さくなります。
窓は一番熱が逃げていく場所ですから、窓を小さくあるいは少なくすればUA値はどんどん小さくなり、熱が逃げにくくなります。
UA値だけを見ていると、断熱に優れた住宅だと考えてしまいます。
でも考えてみてください。
高断熱、高気密で窓を小さくして、あるいは少なくして心地よい住まいになるでしょうか?
・何か壁が多くなって窮屈に感じられる
・外や庭の景色が取り込めない
・風通しが悪い
など、こんな事になってしまいかねません。
この様に、断熱だけ(断熱材を入れることだけ)を考えているとこのようにことになってしまいます。
でもご安心ください!
窓を大きくしても、夏場は太陽熱を遮り、冬場は無限の太陽エネルギーを有効に取り込めば省エネで心地よい住まいができるのです。
それが、パッシブデザインという手法です。
それについては、またの機会に書きたいと思います。