さて前回のおさらいですが、パッシブデザインの重要な5項目とは、

前回のブログ記事はこちら↓
「健康」と「心地良さ」を考えた家づくりーパッシブデザインー

①断熱            :断熱が①~⑤の中で一番大事
②日射遮蔽       :軒の出やシェードで日射を遮る
③自然風利用     :開口部、間仕切壁の位置が大事
④昼光利用       :開口部の位置、大きさが大切
⑤日射熱利用暖房:南窓の位置、大きさが重要

でしたね!

今回は、もう少し深堀していきます。
①断熱気密についての内容です。

断熱と気密は切っても切れない関係にあります。
例えば、外壁等に高断熱の断熱材を入れても、隙間があって冷たい或いは熱い空気が入ってきたら断熱の意味がありませんよね。

外の空気が室内に入り込まないようにしっかりと密閉することが重要です。
これを気密といいます。

気密をしっかりした上で下図のように躯体を断熱する。
(断熱材は性能も大事ですが、屋根の断熱では厚さも大事になってきます。ちゃんとシュミュレーションしてもらいましょう。)

屋根、天井、外壁、床などを断熱材で隙間なく包み込み断熱層を連続させる。
ポットの魔法瓶のような感じです。

断熱層1オレンジ色の部分が断熱層
<国土交通省 改正建築物省エネ法 テキストより>


また、開口部(窓)の断熱も躯体以上に重要。
住宅の断熱化では、窓などの開口部の断熱性能を高めることが有効です。
なぜなら、住宅で一番熱の損失が大きいのが開口部(窓)だからです。

熱が逃げる割合1
<国土交通省 改正建築物省エネ法 テキストより>

冬の暖房時に外に熱が逃げる割合は(H4省エネ基準レベルの家全体での計算例)、

開口部(窓)48% > 外壁19% > 換気17% > 床10% > 屋根6%となっています。

窓の熱損失がいかに大きいがおわかりいただけたと思います。

断熱性能の高いペアガラス(複層ガラス)は必修。最近はあまりシングルガラスは見ないですね。
特にペアガラスでも、Low-E複層ガラスにしましょう。

このLow-Eガラスについては、後で記事にしたいと思います。

Low-E複層ガラスには、日射取得型と日射遮蔽型があります。
その違いは、簡単に言うと

日射取得型:太陽の熱を取り込みたい場合
日射遮蔽型:太陽の熱を遮りたい場合

に使用します。

この違いを知らずに、適当に使用している工務店さんもいるので気を付けましょう。

最近トリプルガラスも出てきていますが、使用する場所を考えないとあまりパッシブデザインの効果はありませんので使用するときは詳しい方に相談してください。


以上のように、外壁、換気扇、床、屋根、開口部など
家全体を断熱化をし、エネルギーを節約しながらココロもカラダも心地良く暮らしていきましょう。