ココロとカラダがよろこぶ心地いい木の家づくり

合板や化学系接着剤は使用せずに、国産の木材や自然素材を使用し、シンプルで飽きのこないデザインで、心地よく健康で安全に過ごせる木の家づくりのブログ

羊毛断熱材の性能って?

FullSizeRender
心地いい木の家づくりには断熱材が欠かせません。しかし、断熱材は何でも良いという訳ではないんです。エコや省エネ、健康などを考慮して選択していくと羊毛断熱材かなと。

考え方は前回お話した通りですが、もうちょっと羊毛断熱材について深堀したいと思います。
(下記内容は、INTジャパン様のウールブレスより引用させていただいております)

「羊毛」ですが、読んで字のごとく羊の毛ですが、
古くから人間は羊たちを飼育し、様々な土地の気候に合わせて環境を生き抜くために進化してきました。
真冬の草原の寒さを乗り切るために体を保温し、体温の発散を止め、冷たい空気を遮断するために適応してきました。そのため、ウールは高い断熱性があり、なおかつ気温と湿度に合わせて体表の水分を調節する機能も併せ持っているのです。

では、どうな性能があるのか見ていきましょう。(ちょっと長いですがお付き合いくださいね)

①断熱
②調湿
③健康
④省エネ
⑤耐久
⑥難燃
⑦吸音
の7個項目

それぞれを見ていきましょう。
①断熱
  夏の暑い太陽熱や冬の冷気が室内に入るのを遮断し、冷房・暖房が効いている室温を外に逃がさな
い効果があります。

  
ウールの繊維は、複雑な構造から成っています。2種類の異なった細胞からできたウール繊維は、それぞれ細胞の成長スピードが違うため、1本1本くるくると捻れた繊維を作ります。クリンプと呼ばれるこの縮れがウールの最大の秘密です。クリンプによってウールは60%もの空気を含むことができ、この空気の層が外気を遮断することで、ウールは優れた断熱性を発揮します。

②調湿(羊毛の最大の特徴)
  空気中には、水分(水蒸気)が存在します。温度が高いほど空気中に保持できる水分量は多くなり、温度が低いほどその量は少なくなります。
この空気の中に含むことのできる水分量には限りがあり、暖かい空気が冷やされて限界量を超えると、行き場を失った余分な水分が水滴となって現れます。

  内部結露は、壁の中や床下・屋根の内部といった、通常は目に見えない箇所で起きる結露です。内部結露のもっとも怖い点は、それが起こっても「分からない」ことです。
壁の中に湿気が残ると、柱を腐らせ家の寿命を短くし、カビやダニ・白アリを発生させる原因になります。知らないうちに家を構成する木材が腐り、強度が一気に低下します。
  羊毛断熱材の最大の特徴は、この内部結露を発生させないことにあります。

IMG_2964
 
③健康
  シックハウスという言葉をご存知でしょうか。建材や家具などから放散される揮発性有機化合物(VOC)によって室内が汚染されている状態です。汚染された状態で住み続けると、目への刺激や頭痛、めまいなどの健康障害をひき起こす場合があり、これらの症状を総称して「シックハウス症候群」と呼んでいます。

  羊毛断熱材は製造過程において接着剤や防腐剤などの化学物質を一切使用していないため、改正建築基準法で規制されたホルムアルデヒドなどの有害物質を発散しません。しかも、ウールの持つ特殊な性質により、空気中に発散されたホルムアルデヒドなどの有害物質を繊維内に吸着する作用を備えています。

④省エネ
  家庭で消費するエネルギーの中で、冷暖房費は年間を通して約4分の1を占めています。特に冬場は、毎日室温を10~15℃高めるため、使うエネルギー消費量は相当なものです。しっかり断熱された住宅なら、冷暖房の使用を抑えながら快適に暮らすことができ、年間の冷暖房費を大幅に削減できます。

  製品投入エネルギー量とは、一つの建材を生産するために、原料の採集と調達、製造過程に必要な燃料、運搬を含めたエネルギー使用量のことをいいます。
製品投入エネルギー量が大きいと、二酸化炭素の排出量が増え、地球温暖化の原因になります。
自然素材でできたウールブレスの製品投入エネルギー量は極めて少なく、廃棄性・安全性の観点からも環境に負荷をかけることのないエコロジカルな断熱材です。

⑤耐久  
  化学物質などの不純物を含まず、純度の高いシンプルな構成の物質ほど外部の影響を受けにくい。自然素材のウールでできた羊毛断熱材もそのひとつです。形状の変化や経年劣化が少なく、いつまでも本来の性能を維持することができる断熱材です。

  ウールの繊維表面は疎水性の薄い膜で覆われています。この膜が水をはじくため、表面は乾いた状態を保ち、万が一濡れた場合でも乾きは早く、型崩れしません。

⑥難燃
  ウールと聞くと「繊維だから燃えやすいのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
実はウールは難燃性の繊維なのです。
ウールの先端に火をつけるとジリジリと燃え始めますが、火は自然に鎮火します。これはウールが人の髪の毛と同じタンパク質からなり、繊維の中に多くの窒素や水分を含んでいるためです。水分を多く含むほど、難燃性・防炎性を示すといわれています。

⑦吸音
  
ウールは、昔からその吸音性能が高く評価されています。
吸音性能を調べるためにメーカーが試験を行いました。試験の結果から、ウールブレスは2,000Hz~5,000Hzまでの音を平均すると67%以上吸音し、5,000Hzでは74%も吸音することが分かります。
つまり、断熱材にウールを使えば、効果的に日常音や騒音をカットできるということです。

IMG_2833

以上、長文を読んでいただきありがとうございました。
上記内容は、INTジャパン様のウールブレスより引用させていただいております。

メーカーHPには、もっと詳しく載っておりますので、ご興味ある方は下記HPをご覧ください。
ちなみに、メーカーさんから一切お金はいただいておりません(笑)

断熱材 ウールブレス|断熱・調湿・健康・省エネ-呼吸する羊毛断熱材|アイティエヌジャパン (itnjapan.com)


自然素材を使用して健康的な住宅を建てるならこの断熱材

2022-08-02 18.13
住宅で使用する断熱材は、メーカーさんによっても、工務店さん等によっても異なります。
また、施主さんによっても違う場合もあります。
が、多くの施工業者さんはグラスウールを使用しています。理由はコストが安く断熱性が高いからです。

このブログでは、別の角度から見ていきたいと思います。
タイトル【ココロとカラダがよろこぶ心地いい木の家づくり】ですので、「自然素材」、「エコ」(環境)、「健康」、「省エネ」(断熱材をつくるエネルギーが少ない)で考えてみたいと思います。

まず、
断熱材ってよく聞くけど、どんな種類があると思いますか?

大きく分けると(順不同)2種類。自然・天然素材系と石油化学系です。

◆自然・天然素材系は
・グラスウール(ガラス)
・ロックウール(鉱物)
・インシュレーションファイバー(木の繊維)
・羊毛ウール(羊の毛)
・セルロースファイバー(新聞紙、古紙)

◆石油化学系
・ポリスチレンフォーム(石油化学製品)
・ウレタンフォーム(石油化学製品)
・フェノールフォーム(石油化学製品)

先ず、ここでは自然素材ですので石油化学系は消えていきます。

では次に、自然・天然素材系を見ていきます。
まずは、

①グラスウールは、硝子繊維協会さんが製造工程を詳しくHPに載せています。
グラスウール(短繊維)の製造工程

リサイクルガラスを使用しています。「エコ」ですね。さらに見ていくと、かなりの高温で溶融していきます。「省エネ」ではなさそうですね。さらに高温の熱風で乾燥とあります。ここも「省エネ」ではなさそうです。製造工程では、かなりのエネルギーが必要と思われます。気になるのは、ガラス繊維なので、施工時にチクチクして痒みが伴うこと。湿気や水に弱いこと。

②ロックウールは、JFEロックファイバー株式会社さんのHPがわかりやすいですね。
ロックウール製造工程

製鉄所の副産物である高炉スラグを使用しています。副産物ですので「エコ」ですね。さらに見ていくと、電気炉に入れて高温で溶かしていきます。「省エネ」ではなさそうですね。硬化炉で焼き固めています。ここも「省エネ」ではなさそうです。製造工程では、かなりのエネルギーが必要と思われます。

③インシュレーションファイバー(木の繊維)は、ウッドファイバー株式会社さんがわかりやすいでね。
ウッドファイバー 製造工程

北海道産針葉樹のチップを使用しています。「エコ」ですね。樹皮は、燃料としてボイラーに使用。化石燃料を使わず「エコ」ですね。成形するのに熱源が必要なのか書いていませんね。おそらく、成形には熱源が多少必要なのではないかと思います。製造工程は、それほどエネルギーは使われてなさそうですね。

2022-08-02 18.13 (1)

2022-08-02 18.13 (2)


④羊毛ウールは、ITNジャパン株式会社さんがわかりやすく書かれています。
羊毛ウールの製造工程

ニュージーランド産の羊の毛を使用しています。「エコ」ですね。成形後に熱溶着です。炉ほど高温ではないですが、熱源が少し必要です。「まあまあエコ」ですね。製造工程は、それほどエネルギーは使われてなさそうですね。ニュージーランドからの輸送に、エネルギーがかかります。ただ専用輸送ではなく、バラ積み(様々な輸送の中の一部)でしょうからそこまでではないと思われます。

2022-08-02 18.14

2022-08-02 18.14 (1)

⑤セルロースファイバーは、日本セルローズファイバー工業会さんのHPよりリンク。
セルローズファイバー製造工程

回収された新聞、古紙を使用しています。「エコ」ですね。薬剤投入するそうです。どんな薬剤なのでしょうか。「健康」的に微妙ですね。製造時エネルギーはそれほどかからなそうです。
気になるのは、新聞や古紙の「インク」です。化学物質過敏症の方は、インクにも反応してしまいます。どちらかと言うと、私も苦手です。「健康」ではなさそうですね。
もう一つ気になるのが、施工方法が壁の中に吹き込むことです。成形してないので、解体時に飛散するため難があります。丁寧に解体すれば再利用可能とは書いてありましたが、解体業者さんはそこまでしないのではないでしょうか。


と、ここまでみてくると、
ウッドファイバーと羊毛ウールが選択肢に上がってきます。
コストを考えると、
ウッドファイバー(高い) > 羊毛ウール(安い) 

断熱性能を考えると、
ウッドファイバー(高い) > 羊毛ウール(低い)


では、ここに高性能グラスウールを入れるとこうなります。
コスト :ウッドファイバー(高い) > 羊毛ウール(中間) >グラスウール(安い)

断熱性能:グラスウール(高い) > ウッドファイバー(中間) > 羊毛ウール(低い)


私は、断熱性能が少し劣るのですが、「自然素材」、「エコ」(環境)、「健康」、「省エネ」(断熱材をつくるエネルギーが少ない)の観点から羊毛ウールを採用しております。

施工に技術が必要を書いてある記事が結構ありますが、実際メーカーの技術担当の方に来て指導してもらいましたが、それ程高い技術は必要ないと思います。

様々なご意見があると思いますが、使用される方の基準、判断で選択されると良いかと思います。

次回は、羊毛断熱材についてもうちょっと深く入ってみようと思います。

高断熱・高気密住宅で心地よい住まいになるの?


2022-07-20 08.42
こんにちは。
今回は、タイトル「高断熱・高気密で心地よい住まいになるの?

皆さんは、どう思われますか?
高断熱にして高気密にすれば、夏涼しく冬暖かくなるから心地よくなるんじゃないの、と思われている方が多いと思います。

答えは、正解でもあり、不正解でもあります。

「なんだそれ」と思われそうですが、窓の設計の仕方によって大きく変わってくるからです。
実は、きちんと断熱設計していれば窓が一番熱が逃げていく場所になります。

最近「UA値」という言葉を聞いたことがあると思いますが、UA値とは「外皮平均熱貫流率」といい、外皮(屋根、天井、壁、窓等)からどれくらい熱が逃げていくかを数値化したもので、値が小さいほど熱が逃げにくいことを示しています。

そこで、窓から逃げる熱の計算方法を考えてみると、

(窓面積)×(内外温度差)×(熱貫流率)=(逃げる熱)となります。

見ての通り、窓の面積に依存しているのがわかります。
窓を大きくすれば逃げていく熱も大きくなり、小さくすれば逃げていく熱も小さくなります。

窓は一番熱が逃げていく場所ですから、窓を小さくあるいは少なくすればUA値はどんどん小さくなり、熱が逃げにくくなります。

UA値だけを見ていると、断熱に優れた住宅だと考えてしまいます。

でも考えてみてください。
高断熱、高気密で窓を小さくして、あるいは少なくして心地よい住まいになるでしょうか?
・何か壁が多くなって窮屈に感じられる
・外や庭の景色が取り込めない
・風通しが悪い
など、こんな事になってしまいかねません。

この様に、断熱だけ(断熱材を入れることだけ)を考えているとこのようにことになってしまいます。

でもご安心ください!
窓を大きくしても、夏場は太陽熱を遮り、冬場は無限の太陽エネルギーを有効に取り込めば省エネで心地よい住まいができるのです。

それが、パッシブデザインという手法です。

それについては、またの機会に書きたいと思います。




ギャラリー
  • パッシブデザインー通風・換気ー
  • パッシブデザインー通風・換気ー
  • パッシブデザインー通風・換気ー
  • パッシブデザインー通風・換気ー
  • パッシブデザイン―日射取得―
  • パッシブデザイン―日射取得―
  • パッシブデザインー日射遮蔽ー
  • パッシブデザインー日射遮蔽ー
  • パッシブデザインー日射遮蔽ー
カテゴリー
プロフィール

nagomi_lifedesign

  • ライブドアブログ