ココロとカラダがよろこぶ心地いい木の家づくり

合板や化学系接着剤は使用せずに、国産の木材や自然素材を使用し、シンプルで飽きのこないデザインで、心地よく健康で安全に過ごせる木の家づくりのブログ

2022年08月

スキップフロアをオススメしない理由

家づくりにおいて、スキップフロアと聞くとどんなイメージを持っていますか?
恐らく多くの方がイメージ的には

「オシャレでかっこいい」

「狭くても開放的な家にできる」

というようなことではないでしょうか。

確かに、一部分はその通りだと思いますが、以下の条件のもとでずっと暮らしていけるのなら良いと思います。

その条件とは
「将来に渡って心身ともに健康で若い方なら」

遺伝子技術の進歩もありますが、現在ではすべての方がこの条件をクリアできる人はいません。

では、何故その様な人でないとオススメしないのかと言いますと、

「不慮の事故や病気に見舞われたり、また将来的に心身が健康でなくなり衰えが出てくると急に不便な家と化す」からです。

どこが不便なのか?
スキップフロアの階段です!


今現在、心身ともに健康な方はなかなかイメージしづらいと思いますが、
足腰は弱くなって、脚力がなくなってくると20センチの段差を上がるだけでも難しくなります。

「リフォームすればいいじゃん」

と思うかもしれませんが、リフォームするにもスキップフロアは構造が複雑で、バリアフリーにしづらいのです。


もしかしたら、明日交通事故にあって思うように動けない身体になっているかもしれません。
あるいは、脳梗塞などの脳疾患や狭心症などの心疾患で倒れて麻痺が残るかもしれまん。
いつ、何が起こるか自分でもかわからないのです。

もしかしたら、自分ではなく愛する家族に起こる可能性もあります。

その時のために、ほとんどの方は医療保険や生命保険に加入されていると思います。
しかし、ほとんどの方は家づくりの事になると万が一の事を全く考えられていないのが現状です。

もし、そのような状態になってしまったらこれほど住みづらい家はないでしょう。
改修しようと思っても、構造が複雑ですのでバリアフリーにするとなると結構大変で費用も掛かる思います。


なぜ、私がこのようなことを話すかと言いますと、

多くの高齢者の家や障がい者の家を見てきているからです。

特に、介護が必要な高齢の方は「若い時はこうなるとは全く考えもしなかった」(介護が必要な状態になって多く段差がバリアーになり、住みづらくなった)と言っているからです。

私は、一級建築士であり介護福祉士であり福祉住環境コーディネーターでもあるため、住環境においては将来バリアになるであろう部分はなるだけ設計に配慮するようにしています。


私が設計する家は、

将来に渡って心地よく過ごしていただくことを目的にしています。

ですので、

スキップフロアはオススメしておりません。

「かっこいい」から売れればいいではないのです。

「若い時はこうなるとは全く考えもしなかった」とならないためにも、是非参考にしていただきたいと思います。

他にも、螺旋階段、逆転プラン(LDKが2階にあるプラン)などもオススメしておりません。


断熱性能を上げて健康になろう!

住宅の環境は、熱、風、光、空気など、さまざまな自然の摂理を受けており、私たちはその影響を受けながら日々暮らしている。

これらの要素が適切でない状態になると、心身の不調や病気になる可能性も増大する恐れがある。

例えば、
夏場室内温度が高いと熱中症になったりや冬場に暖かい所から寒い所に移動するとヒートショックで循環器系に不調が現れることがある。

また、風が通り抜けると気持ちがいいが、風が抜けないと暑さが籠ったりして熱中症になったりする。エアコンを使用すればいいが、使用しない方も意外に多い。

光が入らずうす暗い部屋にいると精神的にも病んできたり、

あるいは化学物質が放出される建材を多用している部屋いると目がチカチカしたりその空気を吸ったりして喘息、アトピーになったり頭痛がしたりすることがある。

そうならないためには、
①断熱性能を上げる
②風が通り抜けようプランニングする
③窓を大きくし光を上手に取り入れる
④なるべく自然素材で住宅をつくる
ということが家づくりに大切になってくる。

特に今重要になってきているのが「断熱性能」である。
世界中でカーボンニュートラルが叫ばれているが、当然日本もその一国である。そのため建築業界でもその影響は大きい。住宅は冷暖房に使うエネルギーが大きいため断熱性を高め省エネルギーにしCO2を減らす必要がある。そのため今まで以上に高断熱が求められている。

この様に今でも今まで、断熱の目的は冷暖房負荷の低減による省エネルギーの側面が多きかったが、
最近では断熱性能を上げると身体的な健康増進にもつながると期待できることが分かってきのである。
(下部参考資料をご覧ください)

なので、断熱性を高めないことは考えられないのではと思う。
断熱性を高めることによって、コストはかかるが健康と医療費の低減つながるになるのであれば長期的に元は取れるのではないでしょうか。




以下に参考資料を載せてあります。
出展:岩前篤 「スマートウェルネスの狙い」より抜粋

◇季節間変動の明らかな死因
死因_page-0001


◇家庭内事故による年間死亡者数
家庭内事故_page-0001



◇新しい住まいの断熱性(グレードが上がるほど断熱性が高い)

断熱性_page-0001
◇断熱グレードと改善率(グレードが上がるほど改善率が良くなる)
断熱グレードと改善率_page-0001


◇寝室とトイレ
寝室とトイレ_page-0001


◇トイレの室温上昇

トイレの室温上昇_page-0001
◇改善率と増加程度
改善率の増加程度_page-0001

全てをご覧になりたい方はこちら
岩前篤「スマートウェルネスの狙い」

土地の探しなどに役立つ太陽の位置がわかるアプリ

土地を購入するときに、この土地の日当たりはいいのか、悪いのかとても気になりますよね。
特に、冬場の日当たりを気にされている方は多いかと思います。
また、パッシブデザイン住宅を建てようと思っている方にとっては絶対に確認した方がいい事項です。

今回は、そんな悩みをお持ちの方に、土地を探しする時にちょっと役立つアプリをご紹介します。

その名は「太陽の軌跡」と言います。
では、このアプリでどんなことができるのか。
アプリストアの詳細にはこう書かれています。

「このアプリを使うと、季節で変わっていく太陽の位置を確認できます。
デバイスを空に向けるとARのようにカメラ画像の上に太陽の位置を表示します。
また、GoogleMap上で世界の場所に移動して、その場での太陽の軌跡を3Dで表示することができます。」

例えば、購入したい場所に行って、AR機能を有効にすると
太陽がどの方向から登り、どの方向に沈でいくのか。(地図上)
また、何時にどの方向にあって、どのような角度(高さ)にあるのか。(AR使用)
あるいは、南側に障害物(住宅とか)があって、その障害物によって太陽が隠れてしまわないかどうか(AR使用)
などを教えてくれます。

実際にスマホを使用して、当事務所にて実施してみました。以下はスマホのスクリーンショットで撮影した写真です。

2022-08-27 14.01

地図上に太陽の方向が時刻ごとに表示されています。
赤:夏至に太陽が通る位置
青:冬至に太陽が通る位置
オレンジ:今日の太陽が通る位置
黄色:現在の太陽の位置

現在の太陽の位置は、オレンジ色の⑭(黄色の丸で隠れている)の14時です。

2022-08-27 14.03 (3)
夏至と今日の太陽が昇る位置

2022-08-27 14.03 (2)
冬至に太陽が通る位置。右方向にずれているのがわかります。

2022-08-27 14.03 (1)
夏至と今日の太陽が沈む位置 15時以降は太陽が建物の裏に隠れてしまいます。
黄色の丸は、今撮影している時の太陽の位置

2022-08-27 14.03
冬至の太陽が沈む位置 14:30以降は太陽が建物に隠れてしまいます。

2022-08-27 14.04
冬至の日は、8:30~9:30頃は太陽が建物と木の陰になってしまいます。



土地を探している方にはとても重宝するアプリかと思います。

しかも、このアプリ無料なんです。

是非使ってみてください。

ほかにも、無料で住宅の日当たりを検討できるソフト(もちろん無料)もありますので、
こちらも今後ご紹介したいと思います。

当事務所では、専用ソフトを使用して土地及び住宅の日当たりをシュミュレーションし、プランニングを行います。
高い省エネを実現させるためには、必修事項だからです。
住宅を建ててから余り日当たりが良くなかったではとてもショックですし、省エネにはなりません。
実際に自分が建てる家はどれくらいの日当たりがあるのかが分かると安心ですよね。

心地いい家づくりのための土地探し

家づくりで先ず初めに一番重要なのが、どこに建てるかってことですね。

土地を探す時どのように探しますか?あるいは探してますか?
多くの方が、不動産屋さん経由で購入されると思います。
(土地を紹介され、現地に案内されて、説明を聞いて購入を決める)

その時、何を基準で選ぶでしょうか?
選ぶポイントは、年齢や家族構成、勤務場所などご家庭によって変わってきますが、

例えば
・日当たりの良さ
・保育環境や教育環境の充実
・スーパーや病院の利便性
・駅の近さ
・街並みなどの住環境
・土地の価格
などだと思います。

でも、それ以上に重要な選択項目があります!

それは、『安全安心な場所であるかどうか』です。
不動産会社さんのホームページの「土地の選び方」とかを見ても
書いてない場合が多く見受けられます。

詳しい説明がない場合もあるかもしれません。
(安全でない場所と言ってしまったら売れなくなるから?かもしれません)

「安全安心でない場所」を購入してしまったら、取り返しがつかなくなってしまいますので、
ぜひ、イヤ必ず購入前に確認してくださいね。

では、「安全安心な場所」をどう判断するかといいますと、
市町村で配布しているハザードマップや防災マップを確認すると分かります。

ハザードマップは、災害の被害予測図で、災害種別ごとに存在します。
防災マップは、避難場所や公共施設などを示した地図で、災害種別を問いません。
これらが一緒になっているものを配布している市町村もあります。
表紙_page-0001


このマップには、風水害時に確認する情報のほかに、避難に関する情報、河川洪水リスク表示図による浸水想定情報(降雨確率による情報)や、土砂災害警戒区域の情報を掲載しています。

揺れやすさマップ_page-0001

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参考URL 嵐山町 防災地図


最近は、地震や台風などの災害だけではありません。
局地的なゲリラ豪雨、線状降水帯などが大規模な災害につながることが多くなってきています。
場所によっては、高潮、火山、津波などの災害も考えなければなりません。

しかし、このハザードマップや防災マップに載っている情報はすべて想定であるということを忘れてはなりません。
多くの大規模災害の場合、想定外だということです。

良くニュースを見ていると、「ここに何十年住んでいるけど、今までこんなことなかった」とか
「こんな洪水は、想定外だった」など耳にします。

土地選びでは、現地確認は当然として、その土地の周辺状況(川の近くか、山の近くか)や周辺との高低差なども確認するとなお良いでしょう。


では、安全安心な場所に家づくりができることを祈っております。


羊毛断熱材の性能って?

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心地いい木の家づくりには断熱材が欠かせません。しかし、断熱材は何でも良いという訳ではないんです。エコや省エネ、健康などを考慮して選択していくと羊毛断熱材かなと。

考え方は前回お話した通りですが、もうちょっと羊毛断熱材について深堀したいと思います。
(下記内容は、INTジャパン様のウールブレスより引用させていただいております)

「羊毛」ですが、読んで字のごとく羊の毛ですが、
古くから人間は羊たちを飼育し、様々な土地の気候に合わせて環境を生き抜くために進化してきました。
真冬の草原の寒さを乗り切るために体を保温し、体温の発散を止め、冷たい空気を遮断するために適応してきました。そのため、ウールは高い断熱性があり、なおかつ気温と湿度に合わせて体表の水分を調節する機能も併せ持っているのです。

では、どうな性能があるのか見ていきましょう。(ちょっと長いですがお付き合いくださいね)

①断熱
②調湿
③健康
④省エネ
⑤耐久
⑥難燃
⑦吸音
の7個項目

それぞれを見ていきましょう。
①断熱
  夏の暑い太陽熱や冬の冷気が室内に入るのを遮断し、冷房・暖房が効いている室温を外に逃がさな
い効果があります。

  
ウールの繊維は、複雑な構造から成っています。2種類の異なった細胞からできたウール繊維は、それぞれ細胞の成長スピードが違うため、1本1本くるくると捻れた繊維を作ります。クリンプと呼ばれるこの縮れがウールの最大の秘密です。クリンプによってウールは60%もの空気を含むことができ、この空気の層が外気を遮断することで、ウールは優れた断熱性を発揮します。

②調湿(羊毛の最大の特徴)
  空気中には、水分(水蒸気)が存在します。温度が高いほど空気中に保持できる水分量は多くなり、温度が低いほどその量は少なくなります。
この空気の中に含むことのできる水分量には限りがあり、暖かい空気が冷やされて限界量を超えると、行き場を失った余分な水分が水滴となって現れます。

  内部結露は、壁の中や床下・屋根の内部といった、通常は目に見えない箇所で起きる結露です。内部結露のもっとも怖い点は、それが起こっても「分からない」ことです。
壁の中に湿気が残ると、柱を腐らせ家の寿命を短くし、カビやダニ・白アリを発生させる原因になります。知らないうちに家を構成する木材が腐り、強度が一気に低下します。
  羊毛断熱材の最大の特徴は、この内部結露を発生させないことにあります。

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③健康
  シックハウスという言葉をご存知でしょうか。建材や家具などから放散される揮発性有機化合物(VOC)によって室内が汚染されている状態です。汚染された状態で住み続けると、目への刺激や頭痛、めまいなどの健康障害をひき起こす場合があり、これらの症状を総称して「シックハウス症候群」と呼んでいます。

  羊毛断熱材は製造過程において接着剤や防腐剤などの化学物質を一切使用していないため、改正建築基準法で規制されたホルムアルデヒドなどの有害物質を発散しません。しかも、ウールの持つ特殊な性質により、空気中に発散されたホルムアルデヒドなどの有害物質を繊維内に吸着する作用を備えています。

④省エネ
  家庭で消費するエネルギーの中で、冷暖房費は年間を通して約4分の1を占めています。特に冬場は、毎日室温を10~15℃高めるため、使うエネルギー消費量は相当なものです。しっかり断熱された住宅なら、冷暖房の使用を抑えながら快適に暮らすことができ、年間の冷暖房費を大幅に削減できます。

  製品投入エネルギー量とは、一つの建材を生産するために、原料の採集と調達、製造過程に必要な燃料、運搬を含めたエネルギー使用量のことをいいます。
製品投入エネルギー量が大きいと、二酸化炭素の排出量が増え、地球温暖化の原因になります。
自然素材でできたウールブレスの製品投入エネルギー量は極めて少なく、廃棄性・安全性の観点からも環境に負荷をかけることのないエコロジカルな断熱材です。

⑤耐久  
  化学物質などの不純物を含まず、純度の高いシンプルな構成の物質ほど外部の影響を受けにくい。自然素材のウールでできた羊毛断熱材もそのひとつです。形状の変化や経年劣化が少なく、いつまでも本来の性能を維持することができる断熱材です。

  ウールの繊維表面は疎水性の薄い膜で覆われています。この膜が水をはじくため、表面は乾いた状態を保ち、万が一濡れた場合でも乾きは早く、型崩れしません。

⑥難燃
  ウールと聞くと「繊維だから燃えやすいのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
実はウールは難燃性の繊維なのです。
ウールの先端に火をつけるとジリジリと燃え始めますが、火は自然に鎮火します。これはウールが人の髪の毛と同じタンパク質からなり、繊維の中に多くの窒素や水分を含んでいるためです。水分を多く含むほど、難燃性・防炎性を示すといわれています。

⑦吸音
  
ウールは、昔からその吸音性能が高く評価されています。
吸音性能を調べるためにメーカーが試験を行いました。試験の結果から、ウールブレスは2,000Hz~5,000Hzまでの音を平均すると67%以上吸音し、5,000Hzでは74%も吸音することが分かります。
つまり、断熱材にウールを使えば、効果的に日常音や騒音をカットできるということです。

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以上、長文を読んでいただきありがとうございました。
上記内容は、INTジャパン様のウールブレスより引用させていただいております。

メーカーHPには、もっと詳しく載っておりますので、ご興味ある方は下記HPをご覧ください。
ちなみに、メーカーさんから一切お金はいただいておりません(笑)

断熱材 ウールブレス|断熱・調湿・健康・省エネ-呼吸する羊毛断熱材|アイティエヌジャパン (itnjapan.com)


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